今回のテーマは、人材の定着率について。
人口減少の進行は、日本社会全体にとっても、個々の企業にとっても極めて重大な問題です。
昨今の厚生労働省の調査によると、倒産件数全体に占める人手不足関連倒産の割合が近年上昇しているなど、人手不足は今や企業にとって死活問題となっています。少子化による労働力確保は企業にとってますます深刻な課題となり、今後新しい人材を採用することが非常に難しくなることが予想されます。仮に採用できたとしても、育成には多大なコストがかかります。そこで、現在働いている従業員にきちんと目を向ける必要があります。従業員が頻繁に入れ替わると、業務の引き継ぎや教育に多くの時間がかかり、離職が続くと残る従業員の士気が低下するなどの問題が発生します。そのため、定着支援の対策を講じることが必須です。
この記事では、従業員満足度を向上させ、人材の定着を図るための具体的な施策をご紹介します。
- 適切な賃金制度の導入
業績や貢献度に基づいた公正な評価制度と賃金制度を導入し、努力が正当に評価される仕組みを整えます。市場の給与水準を調査し、競争力のある給与を提供することを推奨します。 - 働きやすい職場環境の整備
フレックスタイム制やリモートワークの導入など、柔軟な働き方を推奨し、快適で安全なオフィス環境を整えることで、ワークライフバランスの確保と働きやすさの向上に努めます。 - キャリアパスの明確化
多種多様な価値観が存在するようになりました。常に価値観のアップデートが必要です。そこで、従業員一人ひとりのキャリアビジョンを明確にしてみてはどうでしょうか。企業は、上司との定期的な面談を通じてキャリア目標や課題を共有し、必要なスキルを身につけるための研修やトレーニングを提供することが望まれます。 - コミュニケーションの強化
上司や経営陣が従業員の話を聞く姿勢を持ち、気軽に相談できる環境を作りましょう。定期的なフィードバックを行い、従業員の努力や成果を認めることも大切です。さらに、従業員意識調査を定期的に実施し、問題点や改善点を把握することも重要です。 - チームビルディングとエンゲージメントの向上
定期的な社内イベントを通じて従業員同士の信頼関係を深めます。また、従業員が意見を出し合い、プロジェクトに参加できる機会を提供し、趣味や興味に基づく社内コミュニティやクラブ活動を奨励して、社員同士のつながりを強化します。 - 福利厚生の充実
従業員のニーズに応じた多様な福利厚生制度を提供し、生活の質を向上させます。退職金制度や各種保険の充実を図り、長期的な安心感を提供することも重要です。 - 就業規則の見直し
働きやすい職場とはどのような職場でしょうか。長い間改定されておらず、法改正にも対応していない就業規則が存在していませんか。最近では、ライフステージに合わせた短時間勤務や時短勤務制度を導入する企業が増加しています。従業員の満足度やモチベーションを高めるために、時代に合った企業と労働者のルールをぜひ検討しましょう。
いかがでしたでしょうか。従業員の定着支援に向けたこれらの取り組みを積極的に行うことで、職場環境の向上と企業の発展を目指すことをが望まれます。当事務所ではこれらの支援を行っておりますので、お気軽に社会保険事務所CareHRまでご相談ください。