転職理由と賃金変動の実態:最新データで見る転職者の動向

令和5年の雇用動向調査結果が、2024年8月27日に厚生労働省より公表されました。

毎年発表される調査ですが、社会保険労務士として、キャリアコンサルタントとして、私が特に注目しているのは、転職者が前職を辞めた理由と、その後の賃金変動状況です。これらのデータを一つ一つ確認しながら、転職者の動向を見ていきたいと思います。

転職入職者が前職を辞めた理由別割合(その他の理由を除く)

・男性
1.定年・契約期間の満了(16.9%)
2.職場の人間関係が好ましくなかった(9.1%)
3.給料等収入が少なかった(8.2%)

・女性
1.職場の人間関係が好ましくなかった(13.0%)
2.労働時間、休日等の労働条件が悪かった(11.1%)
3.定年・契約期間の満了(9.8%)

前年比で上昇幅が大きかった理由は、男性は「仕事の内容に興味を持てなかった」、女性は「職場の人間関係が好ましくなかった」でした。

人間関係が原因での離職は、男女問わず長年にわたって共通する転職理由となっています。職場の環境が仕事の満足度や定着率に与える影響は大きく、やはり良好な職場環境の整備が重要であることが改めて感じられます。

転職入職者の賃金変動状況

・30~34歳の転職者のうち、増加した割合は44.6%
・30~34歳の転職者のうち、減少した割合は29.1%

・35~39歳の転職者のうち、増加した割合は38.0%
・35~39歳の転職者のうち、現象した割合は29.9%

参考までに令和4年は35~39歳が給与増加のピークだったので、30代全体を注目すべきかと思います。

尚、次のポイントも気になりました。
・55~59歳では、給与減少が給与増加を上回り、減少幅が6.6%という結果

ひと昔前は「転職は35歳まで」と言われていましたが、近年、その考え方は大きく変わっています。現在では、年齢に関係なくスキルや経験が重視され、30代後半から40代、さらには50代でも転職市場で活躍する人が増加しています。働き方の多様化に伴い、キャリアの見直しや新たな挑戦をする人が増え、年齢の壁は以前ほど重要視されなくなりましたが、賃金変動には引き続き注目が必要です。

まとめ

労働市場全体では、サービス業で就業者数が増加し、失業率は減少しています。
女性や高齢者の労働参加率が上昇し、労働力人口全体が増加してます。また、賃金は上昇しており、特にフルタイム労働者の賃金が上がっています。
一方、中小企業では非正規雇用の割合が高く、賃金や人材確保の課題が残る一方、柔軟な勤務形態の導入が進んでいる企業も増えてきました。今後の動向が注目されます。
社会保険労務士事務所CareHRでは、人材採用、育成、定着、労務をワンストップでご支援をしております。お気軽にご相談ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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