2025年10月から、最低賃金が大きく引き上げられます。厚生労働省が発表した改定目安によると、全国平均は1,118円(前年度比+63円)となり、過去最大の引き上げ幅です。これにより、すべての都道府県で時給1,000円を超える水準に到達となります。地方の一部県でも、これまで900円台だった最低賃金が1,000円台にのるため、大きな節目となりそうです。
今回の改定ポイント
- 全国平均が1,118円に
前年比+63円で過去最大の引き上げ。 - 全都道府県で1,000円超に
青森・沖縄などCランクの地域も+64円となり、全国が1,000円以上に。 - ランク別の引き上げ幅
- Aランク(東京・大阪・愛知など):+63円
- Bランク(28県):+63円
- Cランク(13県):+64円
なお、最低賃金は各都道府県の労働局長が決定・告示し、10月以降に順次適用されます。以下の金額に確定となりましたが、最新の情報は、厚生労働省のホームページでご確認ください。
都道府県 | 2024年度 | 引上げ幅 | 2025年度見込み |
---|---|---|---|
北海道 | 1,010円 | +65円 | 1,075円 |
青森 | 953円 | +76円 | 1,029円 |
岩手 | 952円 | +79円 | 1,031円 |
宮城 | 973円 | +65円 | 1,038円 |
秋田 | 951円 | +80円 | 1,031円 |
山形 | 955円 | +77円 | 1,032円 |
福島 | 955円 | +78円 | 1,033円 |
茨城 | 1,005円 | +69円 | 1,074円 |
栃木 | 1,004円 | +64円 | 1,068円 |
群馬 | 985円 | +78円 | 1,063円 |
埼玉 | 1,078円 | +63円 | 1,141円 |
千葉 | 1,076円 | +64円 | 1,140円 |
東京 | 1,163円 | +63円 | 1,226円 |
神奈川 | 1,162円 | +63円 | 1,225円 |
新潟 | 985円 | +65円 | 1,050円 |
富山 | 998円 | +64円 | 1,062円 |
石川 | 984円 | +70円 | 1,054円 |
福井 | 984円 | +69円 | 1,053円 |
山梨 | 988円 | +64円 | 1,052円 |
長野 | 998円 | +63円 | 1,061円 |
岐阜 | 1,001円 | +64円 | 1,065円 |
静岡 | 1,034円 | +63円 | 1,097円 |
愛知 | 1,077円 | +63円 | 1,140円 |
三重 | 1,023円 | +64円 | 1,087円 |
滋賀 | 1,017円 | +63円 | 1,080円 |
京都 | 1,058円 | +64円 | 1,122円 |
大阪 | 1,114円 | +63円 | 1,177円 |
兵庫 | 1,052円 | +64円 | 1,116円 |
奈良 | 986円 | +65円 | 1,051円 |
和歌山 | 980円 | +65円 | 1,045円 |
鳥取 | 957円 | +73円 | 1,030円 |
島根 | 962円 | +71円 | 1,033円 |
岡山 | 982円 | +65円 | 1,047円 |
広島 | 1,020円 | +65円 | 1,085円 |
山口 | 979円 | +64円 | 1,043円 |
徳島 | 980円 | +66円 | 1,046円 |
香川 | 970円 | +66円 | 1,036円 |
愛媛 | 956円 | +77円 | 1,033円 |
高知 | 952円 | +71円 | 1,023円 |
福岡 | 992円 | +65円 | 1,057円 |
佐賀 | 956円 | +74円 | 1,030円 |
長崎 | 953円 | +78円 | 1,031円 |
熊本 | 952円 | +82円 | 1,034円 |
大分 | 954円 | +81円 | 1,035円 |
宮崎 | 952円 | +71円 | 1,023円 |
鹿児島 | 953円 | +73円 | 1,026円 |
沖縄 | 952円 | +71円 | 1,023円 |
事業主が準備すべき実務チェックリスト
- 従業員の給与を時給換算して新基準を下回っていないか確認
- 固定残業代や出来高払いの算定方法を再点検
- 求人票・雇用契約書・就業規則を修正し、従業員に説明
- 複数地域で事業を行う場合は、各県の発効日に合わせて対応
- 社会保険の加入条件や扶養基準(106万円・130万円・150万円の壁)も再確認
労働者にとっての影響
労働者は、自分の給与が新しい最低賃金を下回っていないか確認することが大切です。通勤手当や残業代の割増は含めず、基本給などを時給換算して比べる必要があります。さらに、賃金が上がることで「106万円の壁」「130万円の壁」に近づくケースもあり、社会保険や扶養の条件に影響する可能性があります。
まとめ
2025年10月の最低賃金改定は、過去最大の引き上げ幅で、全国すべての地域が時給1,000円以上となります。事業主にとっては給与体系の見直しが不可欠であり、労働者にとっても収入や社会保険に直結する重要な改定です。正式な金額が発表され次第、すぐに対応できるよう今から準備を進めておきましょう。ご不明点などございましたら、社会保険労務士事務所CareHRまでお気軽にご相談ください。