所定労働時間と法定労働時間という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これらの違いについて質問を受けることが時々あります。所定労働時間と法定労働時間は、どちらも、従業員の労働時間管理と健康保持に重要な役割を果たします。このため、これらの労働時間の違いについて正しく理解することが非常に重要です。この記事では、所定労働時間と法定労働時間の具体的な違いと、それが従業員の労働条件にどのように影響を与えるかを詳しく解説します。
法定労働時間とは
法定労働時間は、労働基準法によって定められた1週間あたりの最大労働時間のことを指します。日本の場合、この法定労働時間は1日8時間、週40時間と定められています。これは労働者が通常働くべき最大の時間であり、これを超える労働を行う場合は、法的に残業とみなされ、割増賃金の支払いが必要になります。
所定労働時間とは
所定労働時間は、個々の企業が労働契約や就業規則を通じて定める1日または1週間の通常の労働時間です。これは企業によって異なることがあり、例えば企業によっては1日の所定労働時間を7時間や6時間と設定している場合もあります。所定労働時間が法定労働時間を下回る場合がありますが、超えることは法律に違反します。
まとめ
法定労働時間は、労働者保護を目的として国が定めた最大労働時間の基準です。対して、所定労働時間は企業が設定する標準の労働時間となります。所定労働時間を超える労働は通常、残業として扱われ、適切な残業代の支払いが求められます。当事務所では、労働者と企業の双方の明確な理解と運用のために、就業規則または雇用契約書に、所定労働時間と法定労働時間を記載することを推奨しています。